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かなしい夜を見かけたら

言いたいことがあるのに言えないとくやしくて泣いてしまう。ただ泣くことしかできない。泣いて泣いて泣いて涙で顔がぐしょぐしょになって鼻水が鼻の中にたぷたぷして。口でしか息ができなくなって、はぁはぁ言うけど、そのうちに唾液がたまってきてそれを飲もうとすると鼻がつまっているから耳がドクン、と言う。顔は真っ赤で、耳まであつくて、目の中も真っ赤。世界でいちばんブサイクな顔。ティッシュではなみずをかんで、気を取り直すけど、そのことを考えるとまた、勝手に涙があふれてふりだしにもどる。どうしようもない。

今日はおいしいパン屋さんでお昼を食べて、バイトあがりにアイスも食べて、帰りには爆音でフィッシュマンズを聴きながら歩いて帰ってしあわせだった。駅からの帰り道はフィッシュマンズを聴きながら、靴を脱いで歩いた。くつしたをとおして感じるアスファルトはちょうどよくひんやりしていて、きもちよかった。これはただのメンヘラごっこなわけではなくて、ちゃんとした理由があって、それはこのあいだ揚げもの料理を作っていたとき、油がはねて、左足の甲をやけどしたことに原因がある。いまは直径2センチくらいのみずぶくれになって、ここ何日かはそれを破らないようになかよくやっているんだけど、そのせいでスニーカーが履けなくなってしまった。代わりに、甲が広くあいたデザインのぺたんこのバレエシューズを履いている。そのみずぶくれがこれまた、なかなかかわいらしい。白いくつしたの上から見るとよけいにかわいい。たまに、そのみずぶくれがちゃんといるか、さりげなくさわって確認するのもいい。でも、おふろに入ったとき感じる「自分の一部、じゃない感」がすごい。イクラから生まれた鮭の赤ちゃんはしばらく、自分よりでかいみずぶくれ、みたいなそのイクラをおなかに付けて泳いでいるけど、絶対きもちわるいだろうなと思った。そんなことはどうでもいい。そう、バレエシューズ。すごく歩きやすいんだけど、やっぱり慣れなくて、一日バイトしていると疲れてしまう。きのうは帰り道、バレエシューズのかかとを踏んづけてぱこんぱこん鳴らしながら帰った。とうとう今日はがまんできず脱いでしまった、というわけである。人のセックスを笑うなのユリちゃんみたいだな、と思っていたら元気が出た。くつしたは思っていたより汚れなかったから、手洗いなし、そのまま洗濯機に入れてしまおう。

きのうから、右耳のピアスホールが腫れて痛い。消毒していたら血が出たし、こわいから足のやけどとまとめて明日皮膚科に行こうと思う。明日はコンタクトを買いに眼科へ、あと住民票を取りに市役所、そのほかにもやることがいっぱいあってちゃんと全部できるか緊張する。こんな時間まで起きてしまっている時点でもう絶望的だ。皮膚科に行ってみずぶくれをつぶされたらちょっとかなしいなと思う。