千里の道も一歩からとかいうけど

すべてのことは一つずつやるしかなくて、1をいきなり10にするのは無理なことだとよくわかっているけれど、それがたまにわからなくなる。1を「今すぐに10にしなければ」と急におもうときがあって、あれこれやろうとするんだけどもなぜか何にも手がつかず、ただそわそわそわそわして時間だけが過ぎてゆく。

さいきんそういうことが多い。一つずつ読んで一つずつ書いていくしかないのに、まわりのことを考えてしまうと、どんどんほかにやるべきことが出てきて焦って焦って、けっきょく一日中焦ることしかしていないと気づく。自分はかなり頭がわるいんだろうなあとおもう。頭がいい人は、わたしがそわそわして白い顔であれこれやろうとしているあいだに、1を2に2を3にというぐあいに、どんどん10に近づいていく。そうして、気がつくと1と7くらいの差ができているのだ。

そもそも、人のことを気にするから1を早く10にしなければとおもってしまうのであり、まわりを気にせず自分のペースでやっていけば、「気付いたら10になっていた」というふうに上手くいくものだとおもう。それでも、わかっていてもできない。ほんとうに病気の人みたいに、わからなくなっちゃう日がある。

 

それから、あたり前だけど、自分が大すきなものをもっとすきな人はいて、自分が得意だとおもっていることをもっと上手にできる人もいる。わたしが知らないことを、たくさん知っている人もいる。わたしがやりたいことのそばにいる人だって死ぬほどいるし。わたしは1からのスタートだけど、3からのスタートの人もいれば、もう8とかの人だっているわけで、そういうことを考えてしまうと、またさいしょに書いたところに戻るというわけ。