愛地獄 感想

銀杏BOYZライブ映像集「愛地獄」を見に行った。

銀杏BOYZって、本当にすごいと思う。やりたい、と思ったことに対する素直さと、それを実行できる勇気と気力がすごい。全てにおいて筋が通っているというか、歌詞もメロディも歌い方もライブパフォーマンスも、ちゃんと全部が繋がっていて一貫している。これしたいけど、実際やったら恥ずかしいな、とかそういうことは思わないのか?これあとから見たら死にたくなるだろうなとか。こういうことを言ったら、あの人にこう思われてしまうかもしれない、とかそういうことを考えて、躊躇することとかはないのかな。Aという行為をしたいからあえてBするとか、まわりからAって見られたいからBするとか、そういう下心と言うか、意図が別の方向にある行動というか、動機不純な行動が一切ないように見える。バンドマンは表現者だから、みんなそうなんじゃないかと思うけど、そんなこともないと思う。これとこれ全然ちがうじゃん、という人はいっぱいいそう。だから銀杏BOYZはすごい。考える前にやっているのかなあ。わたしはやりたいことも言いたいことも書きたいことも、考えに考え、考えまくった結果、躊躇してばっかりだから、こういう真っ直ぐなことができる人を尊敬するし、うらやましく思う。本当にかっこいい。

峯田さんはそれぞれの曲を書いたとき、どんな女の子のことを考えていたんだろう。その子はしあわせだね。いいなあ。でもどうやってもわたしは峯田さんの書く歌の中に登場することはできないから、(もしかしたら、中野とかそこらへんのお店で働けばたまたまご指名されてそこからとかならあるかも、いや難しいか)だれかがわたしのこと思いながら銀杏の曲を聴いてほしかったなと思う。中学時代とか、高校時代に。ぐちゃぐちゃにしたいとかどんな声出すんだろうとか、思われてみたかった。そういえば、こないだ友達とカラオケに行って、最後に二人であいどんわなだいを歌いながら、こう思われてええええって叫びあったけどあれ良かったなあ。

でも、さすがに長かった。こんなに直球の歌を爆音で生映像で4時間半もみていたらそりゃあ、疲れる。本当に疲れてしんどかった。迫力にやられた。銀杏のライブは行ったことがないし、映像もアイフォンの液晶でユーチューブ、とかしかなかったので、はじめてちゃんと演奏しているところを見た。だからこんなに疲れたのかもしれない。良い経験になった。とくに2008年のライブ映像が見れたことに感動した。峯田さんはヒゲゴジラの髪型だった。それから、このライブを見て、チン中村のファンになった。めちゃくちゃかわいい。今はお坊さんなんだ。農業もしているみたい。絶対素敵な人だと思った。あと、村井さんと彼女、別れちゃったのかあ。残念。村井さんが長く付き合ってた彼女とのエピソードですごくいいなと思うのがあって、真似したいと思っていたから、かなしい。勝手に結婚したと思っていたし。

銀杏BOYZとか、忘れらんねえよとかどついたるねんとか、そういう、童貞っぽいバンドは好きでよく聴く。でもそのなかでもお気に入りの曲は、聴くときに、神様、というか上のほうにいる誰かにお願いしてから聴くようにしている。お願いします今日は聴かせてくださいお願いします、という感じ。大森靖子とかマキシマムザホルモンとかにも何曲かそういう曲がある。なんかいっぱい聴くと、聴いたときの、言葉に表せない、うおおおおおおっていう感じが薄まってしまいそうだから。この日はその、上のほうにいる人の許可をとるのを忘れていた、というか許可とる間もなしにいっぱい聴いてしまったので、ちょっと心配。

いつもライブに行ったあとは、そのライブで聴いた曲を帰りの電車で聴いて、にやにや帰るけど、この日はどうやっても銀杏を聴こうと思えなかった。イヤホンなんかしないで、電車のガタンゴトンという音と夜と雨の音を聴きながら帰りたかった。家までの帰り道はしいーん、としていて、濡れたアスファルトのにおいがすごくした。途中の自動販売機で、ふざけたメロンの絵が書いてあるメロンソーダの500ミリリットル缶ジュースを買って、ぐびぐび飲みながら歩いた。全然おいしくなかったー。