桜散らす春の雨と手帳のはなし

春。桜きれいです。4月になったので手帳を新調。去年使っていた真っ赤な手帳とは、結構なかよしになった。一年間、手帳に毎日日記を書いたから。4年前くらいから毎日手帳を持ち歩いて大事に使うようになって、そこに日記も付けていたはいたけど、こんなにいっぱい書いたのはこいつが初めてだった。実際にはちょいちょい、約一か月分とちょっとくらいは抜けているが、ほぼ毎日文庫本サイズの手帳に一日一ページ、日記を書いた。今数えたらだいたい500字前後くらいだった。もちろん、極端に少ない日もあればどうしても収まりきらない日もあって、紙を貼付けてそこに書いたり、もういいやって次の日のページにずれ込んでいる日もあるけど。

日記って人に見せれられるものでないし、絶対に見られたくない。でも、誰かに見られることを前提に書いている自分がいる。実際に、友達に言いたかったけど言えなかったこととか本当はこう思っていたとかいうことを、せきららに、はずかしいこともたくさん書いた。だから、誰かに見られたら困るんだけど、本当は、どこかでこっそり読んで自分のこと知ってほしいとも思っている気がする。風のすっごく強い日に、外でこの手帳を開いたら全部のページが風でびりびり破れちゃって、そのまま風にひらひら連れて行かれて、それぞれのページが、本当は読んでほしいと思っている人のところに飛んでいけば良い。見られても大丈夫な用のわたしだけを見て、わたしのことをあいつはこういう人間だと思っている人、みんな見れば良い。でも、実際に見られたら多分その人とはもう会えないかも。たいしたことのない内容だったとしてもはずかしい。

一昨年、駅で手帳を落としたことがあった。けっこう大きいし分厚くてかさばるから落としたことに気がつかないわけないはずなのに、朝通学中でぼーっとしていて全然気がつかなかった。学校について図書館で勉強していたら知らない番号から電話があって、出なかったら何回も何回もかかってきて、でも出なかった。そのあと手帳がないことに気がついたんだけど、家に置いてきちゃったか〜と思って気にしないでいて、でも家に帰ったらなくて。そのときにハッ、とあれは拾った人からの電話だったんだと悟る。どきどきしながらかけ直したら男の人が出て、やっぱり拾ってくれた人だった。本当にいい人に拾ってもらったと思う。感謝しきれない。でもとにかくそのときは、中見られたらしんどい、と思ってめちゃくちゃ早口で、大変お手数なんですがそこに書いてある住所に送っていただけますか……着払いで!あの、着払いで!!って言った気がする。その手帳には予定もぎっしり書いてあったし日記やメモ、友達とのプリクラなんかも貼ってあった。その拾ってくれた人はすぐに送ってくれて、しかも、着払いじゃなかった。たぶん、若い会社員の男の人だった。このとき、全く知らない人に自分の手帳が渡って、中を見たかはわからないけど、ちょっと興奮した自分がいた。友達とかには、中見られたらやばいんだけど死ぬとか言ったけど、見ていてほしいかも、とも思ってた。見て、何を思いましたかわたしはどんな人間に見えましたか?って聞きたい。もちろんその拾ってくれた人とは、お礼にちょっとしたお菓子を送って、それきりだけど。

去年の手帳、最後のほうは、この毎日朝から寝る前までに起こったこと、考えたこと感じたこととかを書くことに対してなんだか神経質になってしまって、結構くるしくなってた。どこまで書き残しておけば良いのかわからなくなってしまって、もちろん書体とかはほんとうにぐちゃぐちゃなんだけど書き出すと止まらなくて、寝る前に書こうと思うんだけど、そうすると止まらなくなってあれこれ考えだしてしまってせっかく今眠いのに寝れなくなる、でも今書かないと書きたいこと変わっちゃうしと思ったり。それが結構なストレスで、なんか頭の中には文章がいっぱいあるのにそれを形に残すのがめんどくさい、でも残したいしとっておくべきだと思うから書きたい、でも時間ないあああああああってかんじ。そんなにストレスなら書かなきゃ良い、ってか実際わたしの日常なんて平凡でつまらない、特別面白いこともなんもないしって思ってもまたその、書かないは書かないでストレスで、どっちにしろ疲れる。学校のある期間は、授業中にちょうど良く書く時間があるからこんなことならないんだけど、夏休みとか春休みとかは、書くこといっぱいなのにそれをおさめる時間がないからこうなる。

一年間、ほぼ毎日日記を書いたことで、自分の日常や行動に対してメモ魔っぽくなってしまった気がする。けっこう病的に。こないだお母さんにこのことを相談したら、いいことなんじゃないって言われたけど、どこかに残しておかないと落ち着かないこの感じ、自分的にけっこうこわい。なんか、重要な単語とか、気になったものとかをメモするのは全然普通で必要なことだと思うけど、例えば夢日記つけるのよくないとかそういう感じで、日記をこまごま書きすぎるのも良くない気がする。ひとりでいるときいっつも、頭の中に、今の自分を文章で表現してくるやつがいるし、そいつは自分のことを客観的に見てくるし、実際に行動している自分よりも先に文章作っちゃうときもある。先に文章があって、それに自分が従わされているような感覚になることがある。どっちも自分でそんなに変なことはしていないけど、なんか、その感じがこわい。とかいいつつ今年の手帳は去年の2倍の大きさのものを買って、今日は4月7日、もう6日分そのページいっぱいいっぱいに日記を書いた。しかも今回の手帳には時間軸?みたいなのがある一週間ごとのページもついているからそこに毎日食べたものも書き留めてみることにした。今年もこの手帳からわたしは逃げられない。

いっぱい書かなくてもいい

なんかべつにいっぱい書かなくてもいいんだって思った。はじめてスマホで書いてみる。さっきまではベッドの上で植本一子さんのかなわないを読み進め、いまは星野源オールナイトニッポンを聞いているところ。あしたは友だちと鎌倉に行きます。早起きなのでラジオは最後まで聴けないかな。
今日はまた14じに起きてしまった。起きてのこのこと台所に行き、きのうの夜中につくったナンの生地がまだ残っていたのでそれをこねて、中にとろけるチーズを入れて焼く。残ってたキーマカレーに付けたりはちみつを付けたりして食べた。そのあと洗濯をして部屋の片付け。衣替えもした。はやく夏にならないかなと思うけど、夏になったらまたいろいろとめんどくさいなあと思うんだろう。ついでに部屋にあるマンガたちを背表紙の色別に並べてみた。赤、オレンジ、黄、緑、青、黒、意外とカラフルでなかなか良い感じ。ながめてにやにやしているが、いつまでこれを保てるか。でも部屋はまだまだきたない。机の上にとりあえず床にあったものたちをどかどかと乗せたから、机きたない。掃除機かけて、疲れたのでそこで片付けやめちゃった。そのあとお風呂洗っててきとうに麻婆茄子をつくって、きのう炊いたごはんの残りちんして食べた。食べ終わって洗い物してたら、でんわが鳴る。熊本のおばあちゃん。なんか20分くらいいろいろ話してたらピンポーンとチャイムが鳴り、インターホンに両親と弟がうつっててめっちゃ鳴らすから電話切って鍵開けに行く。なんか三人ともくたくただった。弟が地方の大学に行くことになったので家を決めに行ったりなんなりで、ここ何日かひとりで留守番してた。おみやげちょうだいって言ったらよくわかんないしょっぱいやつをくれて、父親がビールを持ってきたのでそれをつまみに一緒に飲む。でもすぐに友だちから電話がきたのでリビング離れてそのまま部屋にこもって1時間くらい話した。そのあとお風呂に入って今に至る。寝たいけどラジオおもろい。でも寝ないとあした起きれないから寝る寝る寝る

電話のハイライト

「晴れてんじゃん」

「ほんとだよ」

「晴れてるって教えてくれれば早く起きたのに。14じに起きた」

「うちも。最近感覚おかしい。こないだ16じに起きたときはさすがにびびった」

「16じはやばいね。何時に寝たの」

「いや、ふつうに3じとか」

「そうか」

「なんか、わたし今日11じに起きちゃってさあ〜みたいなの聞いても、もうなんとも感じないよね」

「11じならなんでもできるだろ」

「んね」

「ひまだ〜」

「ひまああああああ」

「今日は皮膚科に行く。皮膚科に行くことで1日を充実させる」

「へえ」

「今日なんかしたの」

「あーセブン行った」

「いいじゃん十分じゃん手帳に書けるよ」

「あははは そしたら毎日の予定それでうまるわ」

・・・・・・・・・

「それ4月病だよ4月病」

「4月病だなーーあ、ABC(料理教室のやつ)どうなったの?ぜったい行ってないでしょ」

「行ってるわけないだろ。金の無駄だよ」

「だよなー金の無駄だなー」

「ほんと金の無駄だった」

「でもなんかさ、そういうのってお金無駄にしてでもいいから行くのめんどいよね」

「そうそう」

「お金無駄だよなあ」

「うち親にさ、たとえばパソコンなくしたりして新しいの買うことになったときとか、それにかかるお金、授業料と思いなさいって言われるんだよね」

「あー、失敗から学べってこと?」

「あーそう。自分の失敗にお金払って学ばせてもらってるって思いなさいってことなんだけどさー、それにしても授業料たけえわ」

「たけえなあ(笑)」

・・・・・・・・・

「お笑い芸人なればいいじゃん」

「やだよ(笑)」

「えなんでいいじゃん 第二のオアシズなろう」

「えー、おぎやはぎてきな感じがいいな」

「あーおぎやはぎいいね。さまぁ〜ずとかね。でもさーやっぱ女じゃ無理だよ、おぎやはぎは」

「無理かー」

「男はいいよねえ、阿部サダヲとかさー」

「ねーー伊藤とか」

「伊藤って誰?伊藤淳史か」

「うん。あーー演技派女優なりてええ」

「演技派女優って言ってもみんなきれいだからな」

「演技派って便利な言葉だね。なりてええ」

「えーずるい、わたしもなりたくなってきた」

安藤サクラめざす〜気付いたら賞とってるてきな」

「じゃあわたし満島ひかりー、すっぴんでさっぱりふー!みたいなのやる」

「あははは」 

「そんでaスタジオ出る」

「やっぱあれだな、人生最大のあれはaスタジオだな」

「○○がaスタジオ出たら、インタビューきてよ」

「それうちに頼むんじゃないよ(笑)」

「あっそうか、いきなり来てて、えっ!!!??なんで?!うっそ!??もうやだあ〜〜」

「えーーっ!!??なんでーっ!?きのうも一緒にいたのにい??!ってやるんだよ」

「あはははは  そうだわ」

・・・・・・・・・

「なんかいいことないかなあ」

「いいことねえ〜……ない!」

「好きな人ほしいい」

「いないの?好きな人」

「いない」

「ふーん」

「しあわせは 歩いてこない だから歩いていくんだなあ」

「うん」

「あーひま」

「ゲームでもすれば」

「そうするわ」

「皮膚科いくわ」

「じゃねー」

「ばいばい」

 

 

 

いつも僕はひとりきりフロに入って寝るだけ

今日は早番でバイト。昨日は遅番でバイト。明日は遅番。あさっても遅番。ちなみに明々後日も遅番。最近本当にバイトばかりしている。今週は週6でバイト。先週は週4。その前はまた週6。来週は旅行に行くつもりで休みをもらっていたけど、旅行もなくなった。せっかくの春休みなのにね。でも家にいてゆっくりしていても、親に、休みなら洗い物して洗濯して洗濯もの干してお風呂洗ってお米といで洗濯もの取り込んで郵便受けとって夕飯の準備してあとそれからいいかげん部屋片付けなさいって言われて、やってないと一日何してたのってイライラされて、だらしないだらしないって言われるから家出てバイトに行って7.5時間労働しているいるほうが、体は疲れるけどぜんぜんまし。でもいまこれ書いてて、バイト代だって自分のお小遣い稼ぎな訳だし働いている同級生もたくさんいるというのに学費もほとんど払ってもらって大学に通わせてもらって家にもおいてもらっているんだからそれくらいやりなさいよって思った。でも、きっと今が自分の人生でなかなかに自由で楽しい、つかの間の時間のような気もするからもうちょっとほおっておいてくれても良いんじゃないかとも思う。わたしの親は二人とも地方の出で、大学時代は一人暮らししていたんだから、いまのわたしよりももっと自由に遊んでいたんだろうと思うとよけいにそう思う。でも、わたしより家が厳しい子も結構いると思うからやっぱり自分が甘いんだろう。でも家出したい。ほっといてほしい。今一番やりたいのは地元のベローチェで昼過ぎから閉店までココアフロート一杯で日記書いたり本読んだりぼーっとなんか考えたりすること。あと天気のいい日にかわいいワンピースを着て公園散歩したい。そんな日々。

今日のバイトで、電話を取ったらお申し出だった。配送で頼んでいた商品で、注文したものと違うものが届いたとのこと。調べたら発注の手配が間違っていて、後輩のミスだった。お客さんはとても怒っていて、わたしは何度も謝った。すぐに正しい商品を手配してご配送いたします、大変申し訳ございませんでした。すみませんでした。申し訳ございません。久々に怒られた。怒っている人はこわい。自分に非がないことに対してこんなに頭を下げたのは初めての経験だったかもしれない。その処理を事務所でばたばたとしていたら、近くにいた社員さんがなんかなつかしいね〜と言って声をかけてきた。ちょうど一年くらい前、わたしも同じようなミスをした。お客さんに商品の取り寄せを頼まれて、手配したら、希望していたのと色を間違えてしまっていた。とてもお怒りで、電話で担当者に直接謝らせてほしいと言われたので、電話をかけてお詫びをした。完全にわたしのミスなのでもちろん非は自分にあるのだが、すごい口調で結構な言い方をされた。赤の他人にこんなに怒られたのはたぶんこれが初めてだったと思う。親とか先生に怒られるのとはやっぱりぜんぜん違う。自分はこういうのには強いと思っていたから、電話をかけるときも終わったときも落ち着いているつもりだったのだが、社員さんに、終わりました、と言って売り場に戻った瞬間に、ぽろぽろ涙が。それに気付いた社員さんが、事務所で休んでて良いよと言ってくれて、事務所でわんわん泣いた。悔しいとか怖かったとか悲しいとかそういう感情が涙に追いつかないほど泣いた。そうしたら、職場のお姉さんたちが、人間なんだから誰でも間違えることはあるし次から気をつければいいんだよ、と言ってお菓子やらジュースやらアイスをくれて元気づけてくれた。客と店員の立場とか社員とアルバイトの違いとか先輩後輩のあり方とかを身を以て体験した出来事。こういうのって社会にでないと経験できないことだよなあと改めて思う。今回は、わたしが謝ることでお客さんも了承してくれて、すんなり解決したのでここまで大事にはならなかったが、ちょうどその後輩も出勤していて、自分のミスにわたしが頭を下げていることに気がついて、電話代わりますとか本当にごめんなさいとか言ってくれた。でも、わたし一回こういうのやったことあるから大丈夫だよと言ってわたしが受け持った。これを見て、一年前のを知っている人たちは、頼もしくなったなあと言ってくれたし後輩も落ち着いてくれたので、わたしはすごくうれしかった。それに、自分が貢献した!という気分になったことで、いきいき働いていたと思う。

昨日、ふと、そろそろバイト辞めようかなあと思って、転職先をあれこれと考えていたのだが、今日のこの出来事があってやっぱりまだ続けようと思った。学生アルバイトの分際で仕事について分かったような口をきくのはあれだと思うが、きっと、就職してもこんな感じなんだろうなと思う。べつにそんなに楽しくもない、やりたくもない仕事について、ああそろそろ辞めようかな〜もう辞めてもいいかな〜と思いつつ、こういうちょっとした誰にでもできる、たまたま承ったのが自分だったというだけのことに対して勝手に、これはやりがい?やりがいか?やりがい、みつけたー!!とだまされ、かつ自分をだましつつ、じゃあまだもうちょっとやっていよう、と続けていく。そうしてどんどんそのぬかるみにはまって、慣れた職場を辞める勇気もなくしてぬる〜っと、だらだらと稼いでは消費し稼いでは消費し、年を取っていくんだろうなあ。こわい。友人たちが就活生になって、来年は自分かーと思って日常を見ていると、こういうことばかり考えてしまう。まだもうちょっと考えたくないのに。

とんでもないです

今日は一回、9時20分に目覚めるが二度寝。起きたら11時40分を過ぎていて、すこしごろごろして12時くらいにリビングに行く。家族はみんなすでに出かけている。キッチンのフライパンのなかに目玉焼きとポテトが残っているのを見つけてそれをチンして、ケチャップをかけてこたつで食べる。かけすぎてしょっぱかった。あとクロワッサンの小さいやつを二つ食べた。食べ終わって片付けて、リビングのステレオで安藤裕子のCDをかける。でもあんまり気分ではなかったので林檎殺人事件を聴いてすぐ消して、スピッツの仲良しを一曲リピートで家出るまでかけつづけた。部屋に戻って、パジャマをぽんぽんと脱ぎ捨てて、適当に部屋におちていたボーイフレンドデニムを履く。白い、綿のセーターを着る。洗面所でコンタクトを入れて顔を洗って化粧水をつけ、乳液もつけて顔をびしょびしょにする。で、ちょっとおさえたらティッシュでよけいな油分を拭き取って、化粧下地をつける。目の下のくまとあごにできてしまったにきびのところにちょんちょん、とコンシーラーをつけ、ほっぺとおでこにファンデーションを少量のっけて伸ばす。そしてまゆげをほわほわぼかして、指で茶色のアイシャドウをまぶたにのせる。赤っぽい練りチークをほっぺにぽんぽんとつけ、最後にピンクのリップをつけて終わり。化粧の仕方はこれであっているのか永遠にわからない。アイシャドウとか使いはじめたの本当に最近だし。でもそんなに間違っている感じでもないからこれで良い。もっといいのはあると思うけど。で、昨日のかばんから財布と手帳と家の鍵を取り出して、ちがうトートバックに入れる。コートも昨日と違うものをはおって、ポッケに定期があることを確認して、マフラーをぐるぐるにして家を出る。そういえばここ一週間はiPodから音楽を聴いていない。充電が切れて、そのまま放置している。いつもいつも寝る前に充電しようと思うんだけど忘れて、朝家を出るときに、うわ今日もかよ〜となっている。だからサウンドクラウドのお気に入りリストばかり聴いている。今晩こそ、ぜったい充電。今日もサウンドクラウド聴きながら駅まで歩いた。電車に乗りながら友達にラインしたりして、10分くらいでバイト先の駅に到着。今日はよく働いた。今日でやめちゃうの2個上の男の先輩がいた。そんなにシフトもかぶらなくて話したこともないんだけど、その人はわたしのことをさん付けじゃなくてあだ名で呼んでくれていて、それがすごくうれしい。けっこう冷たい人には冷たい先輩なので、わたしは好かれていたほうなのかなと思ってうれしくなる。今日も、休憩に出るとき、事務所で差し入れのお菓子たちを食べていたら、○○ちゃん、これも食べて〜と言って「いままでお世話になりました」と書かれたでかい段ボールいっぱい入ったおかしをすすめてくれた。もっと話したかったなあ。もう一生会わなそう。おしゃれでかっこいい、関西弁の先輩。仕事もよくできて、いろいろ教えてもらった。ありがとうございました。バイトは、今日はすごく混んで、バタバタしていた。何かミスしていないか心配だ。ヘルプでこないだも来ていたかっこいい人がいた。今日もかっこよかった。もっとかわいい格好をして化粧もちゃんとしてくれば良かったと思った。しかも年上だと思っていたら、同い年らしい。すごいかっこいいけど、コムデギャルソンの、コムデギャルソンン!!!って感じのロゴの主張が激しいバックを使っていたから、なんとなくナルシストそうだなと思ってしまった。これは、たぶん合ってる。1時間半ちょっと残業して、終電の1本前で帰宅。あがるときに、どうしてものどが乾いていたので友達に待っててもらって休憩室の自動販売機で炭酸の缶ジュースを買って急いで戻ったら、エレベーターの中で開けたとき爆発した。エレベーターの床をびしゃびしゃにしてしまって、しかもお店に傘を置いてきてしまったことに気付いたので、このまま戻るわ〜といって、そのままティッシュで床を拭きながらひとりで再び上がる。ぱたぱたお店に戻ると、あれ、おはようございまーすとまだ残っていた社員さんたちに言われる。傘をとって、またエレベーターに行くと、ちょうど、同い年の学生アルバイトの男の子がいて、二人きりになってしまった。エレベーターから、スタッフ専用出口を通って駅につくまでの5、6分間。その人はわたしよりもけっこう先にこのアルバイトにいたのに、ずーっと敬語でしか話してくれない。わたしだけでなくみんなに敬語を使っている。わたしはタメ語にちょいちょい敬語をはさむ感じで会話をしている。でも、わたしはその人のお客さんに対する接し方が、自然なのにすごく丁寧で、すごく好き。こういう人とおつき合いすることになったら、尊敬できるところが好き、とかいうんだろうなあとか思う。でもすっごいこだわりが強そうな人。めがねも髪型もいっつもちゃんとしてるし、なによりも靴がめちゃくちゃいいやつ。それいくらの?と聞くと、6万です。とか、5万です。とか言う。私服ではマルジェラとか、いいやつ着ているんだろうなあと思う。就活の話とかをして別れて、駅で掲示板を眺めていたら、今度は、バイトの女の先輩に会った。1年前くらいに辞めてしまっていた人なので、お久しぶりですと挨拶して、髪のびたね〜と言われる。この先輩はけっこう毒づくので、話を合わせて、一緒に話すのには、自分もすこし性格を悪くしないといけない。疲れていたのでひとりで帰りたかったけど、方面が同じなので流れで一緒に帰ることになった。わたし、その電車の中ですげーやなやつになっていたであろう。落ち込む。しょうがないから許してください。家に着くとお母さんが月9の録画を見ていて、わたしは見ていないのでよくわからないから、適当に、この人はあの人が好きなのねとかこれとこれつき合ってる?とか興味もないのに聞く。配送業者の先輩がいい人になったらしい。

 

似たものどうし

あまのじゃくとおたまじゃくしは似ている。中学生くらいのころまでよくまちがえていた。いつも‘‘じゃ’’を発音する直前に、まちがいに気が付く。このまちがいは結構かわいいと思う。

いちごといいちこは似ている。小学生のころお父さんに、これっていちご味なの?と聞いたら笑っていた。もう成人していて飲めるようになったから、自分で飲んで確かめたい。

ぬとむは似ている。死ぬを死むって書いちゃったり書きそうになっちゃったりして、いつもひとりでひっそりなごむ。いぬのぬーだからぬーってやらないと間違えそうになる。こないだツイッターで、「ぬとむ」と検索したら、ぬとむをまちがえると言っている人は結構いた。

右と左は似ている。手の、親指と人さし指の間にほくろがあるほうが左。自分ではそう覚えているつもりでいたけど、最近よく考えてみたら、左!って言われるといちいち頭の中で、右、じゃないほう!とやっていると気付いた。それは0.1秒とか、そのくらいのすごい速さでやっている。右利きだからか、右はさすがにわかっているみたいでよかった。でもたまに、とっさに言われたときとか、その、右、じゃないほう!ってやっている、右、のときに間違えて、本当に右にやってしまうことがある。じゃないほう、が間に合わない。

東と西は似ている。北が上、というのはもう絶対的。さっきも言ったがわたしは右利きで、そして、わたしの通っていた中学校の名前が東中学校だったから、自分に関係あるものどうしを結びつけて、右にあるのが東。そして、東じゃないほうが西。でもこの覚え方は何年かに一度、久しぶりに使ったときめちゃくちゃ不安になる。もっと良い覚え方がほしい。

LとRは似ている。こないだ学校の知覚心理学の授業で、この英語の発音はLとRのどちらでしょう、という問題をやったら、ほとんどすべて逆に書いていた。日本人はこれの区別ができないのはしょうがないらしいんだけど、根本的なところを逆に覚えているみたいだった。自分がLと思ったものはRで、Rと思ったものはL、と覚え直そうとしたけど、そこまで自分を信用できないから結局のところ理解できていない。

ギリシャキューバは似ている。どっちがどっちだかわからなくなる。だからどっちかに行きたい。さすがに最近はオリンピックはギリシャ、とわかるけど、高校生の地理とかではよくまちがえていた。場所も文字面も全然違うのに、何でずっとごちゃごちゃなんだろうと思ったら、国旗がちょっと似ていた。両方とも青と白のしましまが入っている。小さい頃から十何年もの間、自宅のお風呂の壁には水に濡れても大丈夫な世界地図が張られていて、そこに全部の国の国旗も載っていて、お風呂に入る度にそれを眺めていた。だから国はそれぞれの国旗の印象が強いみたい。2年前くらい、ふと気が付くとその世界地図は新しいものに変わっていて、それには国旗が小さくしか載っていないから、最近は結構忘れてきてしまった。

コーネリアスコーカサスは似ている。コーネリアスって聞くと強そうって思う。たぶんコーカサスオオカブトをイメージしてしまうんだと思う。ちなみにわたしがここで言っているコーネリアス小山田圭吾のほう。

PLとSLは似ている。PLとSLとは、登山をするときの班におけるリーダーとサブリーダーのことで、PLがリーダーで班の一番後ろ、SLがサブリーダーで班の先頭になって進んでいく。これがどっちがどっちなのか覚えられなくて、SLのSは、さいしょのさー、のS、と覚えた。すごく分かりやすかったから、良い覚え方があるよと後輩に教えていたら近くにいた友達に、さいごのさー、もSだよ、と言われた。そんなことに1年くらい気が付かなかったなんてこわい。

火曜日と木曜日は似ている。なんとなく、火曜日と木曜日は、自分が同じテンションな気がする。なんだろう、水曜日との距離感が一緒だから?月火水木金土日ってあったら、まず金と土のあいだをちょきちょき切って、月火水木金と土日に分けたくなる。そして、月火水木金のほうを半分に折る。あー、そうすると月と金も似ていることになるのか。それは違う。うまく説明がつかないけど、とりあえず火曜日と木曜日は似ている。

クリームソーダといちご大福は似ている。どちらも自分の中でのちょっとした贅沢品で、ふたつの好きなものが合体していて、共存しているようでばらばら。それ自体がおいしくて、ひとくち食べて、あ〜っしあわせ〜〜っ!というよりも、それを目の前にして、眺めて、食べて、にやにやして、また眺めて食べる、その最初から最後までやって、はあ〜しあわせだあ〜という感じ。これらほど、安価でわくわくして幸福になれるものはなかなかないと思う。

他人には理解してもらえない、自分にしかわからない似ているものはたくさんある。なんとなく、あの人とあの人は似ている、とかになるともっといっぱいある。自分の中に抱くイメージはどうやってできているんだか。わたしの場合は色が大きく関わっている気がするけど、似ている、ということに頼って、ちがいをちゃんと理解しようとしないのは、よくない気がする。芸能人でも、異性でも友達でも、好きな人と似ていると言われるのはうれしいけど、最初に似ていると思ってしまうとちがいを見つけたときにちがうじゃん!ってなるからだめ。絶対ちがうのに、そうわかっていてもそうなるから。そんなことは言っても、結局似ている人には惹かれてしまうし、似たものどうしは仲良くなってしまう。そして、その人のことを、もっともっと知りたいって思う。

知りたいと思うには 全部ちがうと知ることだ

星野源のくせのうたより。

愛地獄 感想

銀杏BOYZライブ映像集「愛地獄」を見に行った。

銀杏BOYZって、本当にすごいと思う。やりたい、と思ったことに対する素直さと、それを実行できる勇気と気力がすごい。全てにおいて筋が通っているというか、歌詞もメロディも歌い方もライブパフォーマンスも、ちゃんと全部が繋がっていて一貫している。これしたいけど、実際やったら恥ずかしいな、とかそういうことは思わないのか?これあとから見たら死にたくなるだろうなとか。こういうことを言ったら、あの人にこう思われてしまうかもしれない、とかそういうことを考えて、躊躇することとかはないのかな。Aという行為をしたいからあえてBするとか、まわりからAって見られたいからBするとか、そういう下心と言うか、意図が別の方向にある行動というか、動機不純な行動が一切ないように見える。バンドマンは表現者だから、みんなそうなんじゃないかと思うけど、そんなこともないと思う。これとこれ全然ちがうじゃん、という人はいっぱいいそう。だから銀杏BOYZはすごい。考える前にやっているのかなあ。わたしはやりたいことも言いたいことも書きたいことも、考えに考え、考えまくった結果、躊躇してばっかりだから、こういう真っ直ぐなことができる人を尊敬するし、うらやましく思う。本当にかっこいい。

峯田さんはそれぞれの曲を書いたとき、どんな女の子のことを考えていたんだろう。その子はしあわせだね。いいなあ。でもどうやってもわたしは峯田さんの書く歌の中に登場することはできないから、(もしかしたら、中野とかそこらへんのお店で働けばたまたまご指名されてそこからとかならあるかも、いや難しいか)だれかがわたしのこと思いながら銀杏の曲を聴いてほしかったなと思う。中学時代とか、高校時代に。ぐちゃぐちゃにしたいとかどんな声出すんだろうとか、思われてみたかった。そういえば、こないだ友達とカラオケに行って、最後に二人であいどんわなだいを歌いながら、こう思われてええええって叫びあったけどあれ良かったなあ。

でも、さすがに長かった。こんなに直球の歌を爆音で生映像で4時間半もみていたらそりゃあ、疲れる。本当に疲れてしんどかった。迫力にやられた。銀杏のライブは行ったことがないし、映像もアイフォンの液晶でユーチューブ、とかしかなかったので、はじめてちゃんと演奏しているところを見た。だからこんなに疲れたのかもしれない。良い経験になった。とくに2008年のライブ映像が見れたことに感動した。峯田さんはヒゲゴジラの髪型だった。それから、このライブを見て、チン中村のファンになった。めちゃくちゃかわいい。今はお坊さんなんだ。農業もしているみたい。絶対素敵な人だと思った。あと、村井さんと彼女、別れちゃったのかあ。残念。村井さんが長く付き合ってた彼女とのエピソードですごくいいなと思うのがあって、真似したいと思っていたから、かなしい。勝手に結婚したと思っていたし。

銀杏BOYZとか、忘れらんねえよとかどついたるねんとか、そういう、童貞っぽいバンドは好きでよく聴く。でもそのなかでもお気に入りの曲は、聴くときに、神様、というか上のほうにいる誰かにお願いしてから聴くようにしている。お願いします今日は聴かせてくださいお願いします、という感じ。大森靖子とかマキシマムザホルモンとかにも何曲かそういう曲がある。なんかいっぱい聴くと、聴いたときの、言葉に表せない、うおおおおおおっていう感じが薄まってしまいそうだから。この日はその、上のほうにいる人の許可をとるのを忘れていた、というか許可とる間もなしにいっぱい聴いてしまったので、ちょっと心配。

いつもライブに行ったあとは、そのライブで聴いた曲を帰りの電車で聴いて、にやにや帰るけど、この日はどうやっても銀杏を聴こうと思えなかった。イヤホンなんかしないで、電車のガタンゴトンという音と夜と雨の音を聴きながら帰りたかった。家までの帰り道はしいーん、としていて、濡れたアスファルトのにおいがすごくした。途中の自動販売機で、ふざけたメロンの絵が書いてあるメロンソーダの500ミリリットル缶ジュースを買って、ぐびぐび飲みながら歩いた。全然おいしくなかったー。