パラサイトがアカデミー賞作品賞を取ったことに、自分が予想以上に感激してる。すごいなあ韓国。例えば似たような映画が日本で作られていたとしても、こうはなっていなかった気がするので、ポンジュノはもちろんだけど、韓国の人たちすばらしい、おめでたい、本当にすごい。そして日本がかなしい。(負けた、悔しいとかではなく、ただ自分が生きてるところがそういうところじゃなくて虚しいという意味で)

作ってる人たちが個人的に超おもしろいと思って作ってるものは、わかるよなーと思う。作ってる人たちがみんなまっすぐで、やってることに自信があって(というかそんなことにも気づいていない、考えていない、無意識)楽しくてやっている感じ。それが、受け取る側にすごく伝わる。そういうものに触れたときめちゃくちゃ嫉妬してしまう、うらやましくて。パラサイト見終わったあと「わたしが映画監督だったらめちゃくちゃくやしい」と思ったけど、ただの凡人の今の自分でもそうだった。

わたしはそういう仕事がしたくて、そういう働き方をしている人にあこがれて、今の会社、というかそういうことができそうな会社を受けて、まあまあそういうことができそうな会社に内定をもらって、そこの作り手側として働いて、もうすぐ2年が経つ。だけど、まったくそんな体験はできてない。さまざまな事情があって、自分がやりたいことなんてひとつも思い通りにできない。個人発の好奇心が仕事になる仕事だと思っていたけど、常に受け手と上司のことばかり考えて、そこに自分が夢中になれる無敵状態なんて来ることない。

そして、なんとなくわかるんだけど、たぶんこの会社にいるかぎりその無敵状態が訪れることはない。なんでそう思うかというと、上の人たちが皆そうだから。(先輩や上司たちが無敵状態になっているのを見たことがないし、そういう嫉妬も感じたことがない)惰性でもの作ってるだけ。会社員とはそういうもので、窮屈でストレスで苦しい。会社入ってからの自分はずっと、ステージの上で、踊りたくない音楽で踊らされて、中途半端に踊って恥ずかしがってる、みたいな状態。いちばんかっこ悪いし誰も得しない。達成感もなく、ただ体が超疲れるだけ。夢中になって踊れたらそれなりに見てる人も楽しいと思うんだけど。

仕事をしていて、すべてが茶番に感じるときがある。「この時間ってなんですか!?みんなやりたくないのにこんなことしててまじで無駄じゃない!?誰のため何のため!?えっきもちわる!」みたいな感じ。そんな気持ちを噛み殺して目の前のものを褒めたりかわいいって言ったりしてる。

2年そんな中にいただけで、いろんなものへの興味とやる気がなくなり、好奇心の先もどこへ向いているかわからず、きたい服も、やりたいことも、どんどんわからなくなっていってる。

お金と引き換えに大事なものを差し出した感じ。でもこのままは嫌だな。

だけど明日は昼頃起きてだらだらして何もせず、明後日になって会社へ行き、そのうちに給料日が来て、カードの引き落とし日が来て、ぐるぐる輪廻転生。。