20180210
9時に一度起きて、保険会社に問い合わせの電話をした。めんどくさくてなかなか手につかないことは、朝の寝ぼけているうちに自分をだましてやるのがいちばん良い。二度寝して13時。ごはんをてきとうに作って食べ、録画していたドキュメント72時間を見た。
そのあと着替えて準備をして、駅前の喫茶店でぼーっとした。
こんなにゆっくりできているのは、バイトを休んでいるからで、どうしてバイトを休んでいるのかというと、4月から毎日働くのにわざわざ今働きたくないと思ってしまったから。それに卒業旅行費など、ひつような分のお金は貯まったから。
本当は1月いっぱいで辞めるつもりだったのだけど、3月が繁忙期で人手が足りないと言われて、辞めさせてもらえなかった。1月でバイトを辞めて、2月に髪の毛を金髪に染めたかったけど叶わなかった。
さっきバイト先の友達からラインが来て、みんな〇〇ちゃん何してるの?って言ってるよ、何してるの?と言われた。こういうとき、何をしていると答えるのがいちばんかっこいいんだろうかと考えて、何も思いつかない。ずっとごろごろしてるだけと返事したら、いいね、老後だね、と言われた。
それから今日は旅行の準備をした。普段まったくさわらない引き出しを開けて探し物をしていたら、茶封筒に入った一万円分くらいのドル紙幣をみつけた。一昨年の夏、インドの山奥へ行ったときの余り。今日でいちばんうれしかったこと。探し物は見つからなかった。
西野カナ以上大森靖子以下
2016年6月の下書き
朝起きていちばんと、寝る前にギターを練習している。ギターを買ったのはたしか去年の2月くらいで、買ってすぐのころはうれしくてうれしくて、教本についているDVDを見ながら音を鳴らした。いちばん安い初心者セットみたいなのを買うつもりで楽器屋さんに行ったのに、店員さんの話に乗せられてヤマハのそこそこ良い、中古で2万円ちょっとのを買った。国産のは音がちがうとかなんとか言われたけど、わたしはなにより、そのギターの柴犬みたいな色合いがとても気に入ったんだった。グラデーションのようになっている濃いめの茶色のもかっこよかったけれど、自分が持つとすこし生意気なかんじがしそうな気がして、あまりしっくりこなかった。
何日か練習して、ドレミファソラシドが弾けるようになって満足して、ドレミファソラシドドシラソファミレドをはやく弾いたり、ユーチューブですこし滑舌のわるいおじさんの初心者でも弾けるカントリーロードみたいなのを見たりしていた。でもあるとき、楽器屋さんに「毎回弾きおわったあとは弦をゆるめないと、ギターが傷む」と言われたのをおもいだして、いままでゆるめていなかったから、こんなかわいい子を痛めつけたとおもって、そのぶんの意味も込めていっぱいゆるめたら、次のときからチューニングが合わなくなってしまった。
チューナーをギターの先につけて、ゆらゆらゆれる電子印字の棒を真ん中に合わせても毎回毎回音がちがう気がするし、でもどうちがうのかもよくわからないし、せっかく覚えたドレミファソラシドもぜんぜんちがう音に鳴った。だからいちいちドレミファソラシドを弾いて弦を合わせていたのだけれど、そうやって毎回チューニングがおかしいうちに「ギターってよくわからない、意味わからない」という思いが自分の中でどんどん大きくなっていって、しかもそのあたりで二週間ちょっと海外旅行に行ったもんだから、帰ってきたころにはもうギターなんてどうでもよくなってしまった。
それでもギターは毎日わたしの部屋にあって、毎日見て見ぬふりをして、どんどんインテリアと化していった。コートハンガーの横に置き場所があるので、冬場はとくに、学校やバイトからつかれて帰ってきてコートをかけるときに、「ジャーン」という、うるさいためいきのような、ギターの嘆きのような音が鳴った。でも、それでもわたしはその音を無視して、しばらくはどうでもよかった。
でもいつからか、そのギターに対する罪悪感と、わたしがギターを買ったということを知っているともだちたちの「そういえばギターは?」という言葉から、「ギターれんしゅうする」とよく言うようになった。家の近くと学校の近くと、ギター教室を探したし(結局月謝が高かったので見学にも行かなかったけど)何人とも、上手になったらバンドを組もうとかスタジオ入ろうとかの約束もした。でも、それでもなかなかチューニングのトラウマは大きくて、だれに聞いても「チューニングなんて簡単だ」「針を真ん中にあわせるだけじゃん」としか言われないので、口で言うばかりでぜんぜん練習しようとしなかった。
あるとき、というかはっきり覚えている、6月19日の日曜日。23時くらいにバイトから帰ってきて、その日はほんとうにつかれて眠くて、お風呂に入ってすぐ寝たかったのだけど、どうしても今日さわらないといけない気がして、ギターに手をのばした。ベッドに腰掛けてギターをかかえ、チューナーの電源を入れて、ひらめいた。チューナーに表示されるこの英語がなんかあれなんだ、と思って、教本をみたりグーグルしたりしたら、簡単に解決した。そろえるべき音がそもそもずれたままだったようだ。
そうして、その日以来、毎日朝と夜にギターの練習をするようになった。
仮免許
2016年夏の下書き
きのう、やっと仮免許がとれた。まだ仮免だけどだいぶんうれしい。みきわめに2回落ちて、もう運転免許なんていらないとおもったところからよく持ち直したとおもう。1回目みきわめ不良つけられたときは教官がうるさいおじいちゃんで、ドアを閉めるときにバタン!としただけで「もっと丁寧に」と言われるし、チェンジレバーをガチャガチャっとしただけで「そういうところも乱暴なんだよな」みたいなことを言われて、むかついてしまった。自分なりに計画を立てていて、検定を受けるつもりでバイトも休みをとっていたから、不良をつけられて検定が受けられなくて計画が狂ったし、追加の技能講習だからお金かかるし、いちいちちくちくと否定されて、もういろいろ嫌になった。帰りの送迎バスが一人だったから、そこでちょっと泣いた。
2回目のみきわめは落ちたけどすごいやさしい教官で、教習がおわって、また不良をつけられて完全にテンションが落ちているわたしに「◯◯さんはどうして免許をとろうと思ったんですか?」とか話しかけてくれて、ドラマかよと思ってなんか笑ってしまった。そんな気を遣わせてしまったことを申し訳なく感じて、親にとれって言われたからというんじゃなくて「ともだちと旅行に行きたくって……」とわたしも台詞みたいなことを言った。
銭銭銭銭銭
2017年いつだかの下書き
やりたいことのできる業界の会社は、片っ端から受けようと思っていた。かたっぱしから説明会予約して、自社説明会に足を運んだ。でも、何社も行くうちに、自分がやりたいことはもっとはっきりしていて、その業界であればどこの会社でもいいというわけでもないんだなあと気づいた。たとえ大手であれ、なんかちがうなあと思うところはエントリーシートを出すのをやめようと思った。どうせちょっとでもそう思った会社は、向こうにもそういうことがばれるし、その会社にかける分の時間を、もっと志望度の高い会社の対策にむければいいのだ、そうしよう、と思った。
もっとほかにも、自分のやりたいことができそうな会社はないかと、探した。そしたら、とてもよさそうなところを見つけた。あまり知られていないところだったから、ここを第一志望にすれば、もしかしたらうまくいくかもしれない、と思った。
残業して、肌も髪もぼろぼろになって、彼氏もいなくて、不規則な生活で今よりも大分太った自分が見えた。永久脱毛して、つめもキラキラで、結婚を前提にしてつきあっている彼氏がいて、仕事終わりにはヨガ教室に通っている友達の姿が見えた。
とてもがっかりした。自分は、やりたいことならお金はその次だ、と思っている人間だと思っていたから。お金お金、お金のために働くというのはかっこわるくて恥ずかしいことだと少しバカにしていた。でも、実際の自分の価値観はそっち側だった。一定のお金は稼げるだろう、ということ前提で考えていた。わがままで甘い考えだった。
20180610
久々に自分のブログを読み直したら、恥ずかしすぎて吐きそうになった。
変な文章。自意識が強すぎて読んでいられない。
それに気づけたのは、ここ二ヶ月の研修の成果なのかもしれない。(研修中は毎日、手書きで1000字くらいの日誌を書かされた。そして、次の日にそれに対する人事のコメントと、赤が入ったものが返される。)
「一文が長すぎる」「てにをはがおかしい」「漢字が間違っている」「漢字で書け」「同じ表現を繰り返すな」「言葉選びが幼稚」
みたいな指摘をされ続けて、ちょっとはましな文章が書けるようになったのだろうか。
そうやってどんどん会社に矯正されていく!